AIはラーメン二郎の夢をみるのか
こんにちは!”emoie”(エモイエ)の近江です!
土曜日の午後、いかがお過ごしでしょうか。
今年は「毎月1回は映画館に行く」と目標を立てましたが、今月はまだ行けておらず、2カ月目にして早くも頓挫しそうです(笑)。
さて、以前の記事でも「ラーメン二郎」にハマっていることは少し触れましたが、不思議なもので、この40歳を目前にしてから、なぜか無性にあの黄色い看板に惹かれるようになりまして(笑)。 経営者という視点で見ても、やはりあの場所は興味深い。 知れば知るほど、現代社会において特殊で、面白い場所だなと感じています。
初心者を待ち受ける「洗礼」と「罠」
まだ二郎の暖簾をくぐったことがない方のために、あの特殊な空間のリアルをお伝えしましょう。そこには、一般的な飲食店では考えられない独自の「掟」が存在します。 まず、入店前から試練は始まっています。
「小」という名の嘘
券売機に「小ラーメン」とあっても、言葉通りに受け取ってはいけません。一般的なお店の2倍くらいの量が平然と出てきます。あれは「世間一般の小」ではなく、「(二郎にとっては)小」という意味なのです。なお、食券を渡すときに「少なめ」とか「半分」と伝えると麺量を減らしてくれますが、そのことは券売機には書いていないことが多いです。※店舗によっては「半分」の食券があるようです。
ティッシュの攻防戦
これ、地味ですが重要です。ティッシュは卓上にはなく、なぜか入り口の券売機付近や給水機周りにしか置いていないことが多いのです。 食べている最中に「あ、口を拭きたい」と思っても、狭い店内で背後を通って取りに行くのは、かなり勇気がいります。 だからこそ、「着席前に必要枚数を予測して確保し、ポケットに入れておく」という戦略的行動が求められます。 さらに、使い終わったティッシュを丼の横に置いて帰るのは厳禁。「ゴミ箱に捨ててね」と店員さんから指導が入ります。 「食べた後は台を拭き、丼を上げ、ゴミは所定の位置へ」。ここまでやって初めて、二郎という儀式は完了するのです。
二つの大きな関門:「コール」と「ロット」
そして、二郎を二郎たらしめているのが、この二つの概念です。
呪文のような「コール」
提供される直前、店員さんから「ニンニク入れますか?」と聞かれます。これが合図です。 これに対し、「ヤサイマシマシニンニクアブラカラメ」といった呪文(コール)で返します。自分の好みを瞬時に伝えるこのやり取り。噛んでしまわないか、タイミングを間違えないか……店内には独特の緊張感が漂います。
運命共同体「ロット」
二郎では、一度に数人分の麺をまとめて茹でます。これを「ロット」と呼びます。 つまり、同じロットに入った客は「運命共同体」となります。もし自分が食べるのが極端に遅いと、次のロットの麺を茹でる工程がつかえてしまい、店全体の回転を乱してしまいます。 そのため、暗黙の了解として「早食い」が求められます。
「ブレ」を楽しむ、ライブ感
さらに興味深いのが、「味のブレ」です。
店舗ごとの個性
スープが白濁してクリーミーな「乳化」店もあれば、醤油がキリッと立った「非乳化」店もあり、店によって全くキャラクターが異なります。またコールのタイミングもお店によって違うこともあります。
日々の揺らぎ
同じ店に通っていても、「今日はいつもよりスープが乳化してる!」「今日の豚(チャーシュー)は神がかった柔らかさだ!」といった日々の変化があります。
ファンは、マニュアル通りにいかないこの「計算できない揺らぎ」すらも愛し、一期一会のライブ感を楽しんでいるのです。
「最適化」された世界で、人間が求めるもの
ビジネスの視点で見れば、マクドナルドのような「合理化・効率化・均質化」こそが資本主義の正解です。 僕も経営者として、品質を安定させることは絶対の正義だと思っていました。
しかし、これからの未来を想像してみてください。 計算や効率化、最適解を出すこと。「いかに無駄なく、快適に、ミスなくこなすか」。 これらは今後、AI(人工知能)が最も得意とする分野になっていきます。
そうなった時、僕たち人間が最後に心を動かされるものは何でしょうか?
全てがスムーズで、予測可能な世界では得られない、 「あえて非効率なこと」 「自分の身体を使ってぶつかること」 「マニュアル通りにいかない、生々しい体験」 ではないでしょうか。
苦しい思いをして山盛りの麺を完食した時の達成感や、厳しいルールの中で周囲と呼吸を合わせる一体感。 そういった一見「無駄」や「ノイズ」に思えるものにこそ、AIには再現できない人間的な感動があり、これからの時代、むしろそういう体験こそが輝きを増していく気がしています。
効率を突き詰めた先で、人が最後に欲するのは、やっぱり「人間臭さ」なのかもしれません。 そう思うと、手入れが必要なヴィンテージデニムや、不便なキャンプを愛してしまう理由も、なんとなく説明がつきます。
合理的でスマートな家もいいけれど、愛着という名の「手間」がかかる暮らし。 僕たちが作りたいのは、そんな人間らしい体温のある場所なのかもしれません
※↓これは新宿小滝橋通り店の麺半分です。このお店は「汁なし」というメニュー(汁が少なくて卵黄がのっている)が美味しいとネットの口コミで読んだので注文しようかなと思って券売機を見ても「汁なし」がありませんでした。ネットの口コミが間違っていたのかと思って普通のラーメン頼んだんですが、他のお客さんを見ていると、普通のラーメンの食券の他に現金100円を一緒に渡して「汁なしで!」と伝えると汁なしが出てくるようでした。一見さんには難しい注文方法ですね!

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