「金利が上がれば家は安くなる」、その常識は今も正しいか?
こんにちは。”emoie”(エモイエ)の近江です。
「金利が上がると、家は安くなる」 不動産のセオリーとして、皆さんもそんなイメージを持っていませんか?
先日、大東建託がアメリカの賃貸管理会社を買収するというニュースがありました。当社もお取引のある会社なのでつい目が留まったのですが、その買収の理由がちょっと面白かったんです。
大東建託、米賃貸管理企業を買収 中低所得層の住宅需要を開拓 – 日本経済新聞
今、アメリカでは家の値段が上がりすぎて買えない人が、続々と「賃貸」に流れているそうです。しかもそれは低所得層の話ではなく、中流層にまで広がっているとのこと。
あれ?と思いました。 金利が上がったら、家は安くなるんじゃなかったっけ?
ローンを組んで買える人が減るんだから、需要が落ちて値段も下がる。私はずっとそう思っていました。 実際、アメリカの住宅ローン金利はこの数年で3%台から6.5%くらいまで上がっています。なんと倍です。日本の変動金利が1%台ですから、比べものになりません。
「じゃあ、実際の家の値段はどうなっているんだろう?」 ニュース記事だけでは読み取れなかったので、気になって自分でも少し調べてみたんです。すると、家の値段は下がるどころか、約17%も上がっていました。
いや、なんで?と。
答えは「売る人がいなくなった」から
その理由は、アメリカの住宅ローンの仕組みにありました。
アメリカでは「30年固定金利」が主流です。つまり、数年前に「3%」で借りて家を買った人は、今もずっと3%のままなんです。 でも、もし今の家を売って新しい家に住み替えたら、次のローンは「6.5%」で組み直すことになります。
そりゃ、売らないですよね。
そうやって、中古住宅が市場からピタッと消えました。 買う人は減ったけれど、それ以上に「売り物」が市場から消滅した。だから、需要と供給のバランスで価格は下がらなかったのです。
金利というものは、買う人(需要)だけじゃなく、売る人(供給)にも強烈なブレーキをかけるんですね。このメカニズムは、私もハッとさせられました。
日本の家も、おそらく下がりません。
さて、日本もいよいよこれから金利が上がる時代に入ります。 もちろん、アメリカと全く同じ現象が起きるとは言いません。
ただ、日本の家の値段も「大きく下がる余地」は、そもそもあまりないと考えています。 なぜなら、木材も、断熱材も、家を建てる職人さんの手間賃も、あらゆる建築コストが上がり続けているからです。この「原価の壁」がある以上、新築の値段を下げることは物理的に不可能です。
そして、もうひとつ重要な視点があります。 物価が上がる(インフレになる)というのは、裏返せば「お金の値打ちが下がる」ということです。
もし今、3,000万円の住宅ローンを組んだとします。 今後どれだけ世の中の物価が上がっても、あなたの借金は3,000万円のままです。しかし、世の中のお金の価値が下がっていくのであれば、実質的な借金の負担は毎年ちょっとずつ減っていくことになります。
つまり、インフレ時代において痩せていくのは「家」ではなく「借金」のほうなんです。
「借金は怖い」という感覚。 あれは、物価も給料も上がらなかったこの30年間が、私たちに植え付けたものでした。その前提が、いま静かにひっくり返ろうとしています。
待って減るのは、値段ではなく「選択肢」
だからといって、「今すぐ買いましょう!」と煽るつもりはありません。先のことは誰にもわからないからです。
ただ、昨年度に日本で新しく建てられた住宅(新設住宅着工戸数)は71万戸あまり。前の年度から13%も減って、ついに80万戸を割りました。これから建つ家そのものが、どんどん減っていく時代です。
この状況で「数年待つ」という選択をして手に入るのは、安い家ではなく、「少ない選択肢」のほうかもしれません。
私たちが”emoie”(エモイエ)で「建売住宅」をつくっているのも、実はこういう時代だからだったりします。 完成した実物が見えていて、価格も決まっている。建築中の資材高騰や、ややこしい原価変動のリスクは、買う方ではなく私たちが引き受けている。
地味かもしれませんが、家づくりにおいてけっこう大事なポイントだと思っています。
ニュースを見て「これからの家づくり、どうなるんだろう?」と不安になったら、雑談するくらいの気軽な感覚で、ぜひご相談にいらしてください。
こんな素敵な住宅も販売中です。



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